「睡眠科」標ぼう医療機関に対する患者側ニーズ調査の結果について
「睡眠から、人と社会を健やかに。」をキャッチフレーズに、睡眠に関する科学的根拠に基づいた情報の提供と具体的な施策の提案を行い、人々の睡眠をより良いものにし、人と社会を健やかにしていくための活動を推進する一般社団法人日本睡眠協会(理事長:内村直尚、東京都文京区本郷、以下「JSLEEP」)は、今回2023年11月16-17日に3,600名を対象に「医療機関による『睡眠科』標榜に向けた患者側ニーズに関する調査結果」を実施致しました。
調査には3,587名(男性1,791名、女性1,796名)から有効回答があり、「もし睡眠科があれば受診したいか」との問いに対して、自らが抱えている睡眠課題に関して医師に診てもらいたいと思っている人(521名)のうち、睡眠科があれば受診しようと思う人は全体で80.4%(419名)にも上りました。《図1参照》
また、抱えている睡眠課題に関して実際に医師に相談したことがある人(295名)の中でも、睡眠科があれば受診しようと思う人は全体の80.3%(237名)にも上り《図2参照》、需要サイド(患者側)にも診療科としての「睡眠科」に対する高いニーズがあることが浮き彫りになりました。
【調査の背景】
我が国でも睡眠で悩みを抱えている方は多く、日本人の5人に1人は睡眠の問題を抱えていると考えられています。しかし、そうした悩みをどこに相談したらよいのかわからない、という状況が我が国の睡眠改善に向けた課題のひとつとして存在します。
アカデミアである一般社団法人日本睡眠学会では、睡眠医療へのアクセスを改善し、こうした課題を解決するため、睡眠に関して専門的な診療を行う機関などが医療機関として「睡眠科」という診療科を標榜できるようにすべき、と厚生労働省に対して要望を行っています。
医療機関の診療科の名称については、国民が自分の病状に合った適切な医療機関を選択することを支援する観点から、医療法施行令で定めた診療科名に限って標榜することが可能、という仕組みになっています。その際の条件については、基本的な考え方として①独立した診療分野を形成していること、②国民の求めの高い診療分野であること、③国民が適切に受診できること、④国民の受診機会が適切に確保できるよう、診療分野に関する知識、技術が医師に普及、定着していること、の4つが掲げられています。
今回の調査は、「睡眠科」の標榜の実現に向けて、上記の4つの基本的な考え方のうち②の「国民の求めの高い診療分野であること」について裏付けを行うべく日本睡眠協会が主体となって睡眠医療の需要サイド(患者側)に対して世論調査を行ったものです。
【調査の概要】
調査方法:クロスマーケティング社によるインターネットリサーチ
調査実施期間:2023年11月16日(木)~2023年11月17日(金)
対象者:18~79歳の男女
対象者数:3,600人(各年代(20代、30代、40代、50代、60代、70代)、男女別の各セル300名)
【調査の結果】
全体の平均年齢は49.6歳、平均睡眠時間は6.4時間
・調査対象全体のうち、58.4%(2095人)が睡眠に問題を感じていた
・抱えている睡眠課題について医師に診てもらいたいと思ったことがあるのは、男性で27.4%、女性で22.5%
・医師に診てもらいたいと思ったことがある521人の内、医師に相談したことがあるのが、男性で56.4%、女性で56.9%
・受診した診療科で最も多いのが、内科、次に精神科
・医師に相談したことがある人の中で、どの科を受診するか迷ったのは、男性で54.3%、女性で52.6%
・睡眠課題を抱えている人の中で、睡眠科があれば受診しようと思う人は男性で38.9%、女性で32%
・抱えている睡眠課題に関して医師に診てもらいたいと思っている人の中で、睡眠科があれば受診しようと思う人は全体で80.4%【上記図1】
・抱えている睡眠課題に関して医師に相談したことがある人の中で、睡眠科があれば受診しようと思う人は全体で80.3%【上記図2】
・受診した科別では、睡眠科があれば受診しようと思う人は内科が85.2%、精神科が78%、呼吸器科が92.1%、耳鼻咽喉科が88.9%、心療内科が81.7%
・抱えている睡眠課題についてどの科を受診するか迷った人の中で、睡眠科があれば受診しようと思う人は全体で94.3%
【協会概要】
一般社団法人日本睡眠協会
理事長 内村直尚
設立日:2023年7月20日
事務所所在地:東京都文京区本郷六丁目25番14号宗文館ビル3階
本件に関するお問い合わせ先
日本睡眠協会事務局 contact@jsleep.org